マイナンバー制度の苦戦に見る社会の変容

マイナンバー制度の苦戦に見る社会の変容

こんにちは。
IT大好きNocchiです。
マイナンバーの通知、皆様は受け取られたでしょうか。
地域によって、配布状況に大きく差があるようですね。
今回はマイナンバー制度の普及苦戦から感じた
社会の価値観の変化について、書きたいと思います。
⬛︎「歳上」=「偉い」?
最近の日本社会における価値観で、変わってきているなと強く思う部分について。
まずは、年功序列意識の瓦解などに見る、「立場のフラット化」です。
自分より歳上の方は、多くの年月を生きている分、
自分の知らないことを知っている可能性が高いです。
知らないことを知ることは、自分の世界を広げる上で、とても大切なこと。
そして、気持ち良く教えていただくために、
「教えていただきたい」「それによってもっと頑張りたい」といった
謙虚な姿勢というのも、コミュニケーションの上で大切な要素かと思います。
一方、特に年功序列の観念が強く根付く社会においては
「年や役職が上であれば偉い」「彼らの話はありがたい」といった固定観念が
強く残ってきました。
話を伺う側も、「自分は昔すごかった」「上なのだから逆らうな」といった言動には
もはや耳を傾けなくなってきているのかな…と感じます。
大事なのは立場ではない。
人種、性別、年齢、こういったものもフラットになってきていますね。
女性だから子供を産むべき、男性だから家事をするのは変…?
社会の価値観によって、個人の価値観が押しつぶされずに済む時代がきているようで、
生きやすい社会になる上でとても重要で、良い変化であるかなと思います。
⬛︎「有名」=「すごい」?
続いて、「ブランド」というものの変容について。
ここ数年、広告業界やマーケターの間で、「デザイン思考」という言葉が飛び交っています。
既存のフレームを前提に、それをうまく使うことを考えると、制約が大きい。
そもそも論に立ち返って、「使いやすさ」を考えてみようー…
親和性の高いITによるイノベーションと相まって、
その考えは既存ビジネスを大きく変容させてきています。
ブランドのあり方が大きく変わってきている、ということ。
有名なブランドの物であれば何が何でもいいのか?
大きすぎて変えられないから、我慢するしかないのか?
そんなことはないよね、やりやすいように作っちゃえば良いよね。
ディスラプト・スタートアップの根幹概念かと思います。
物やサービスの作り手は、本当は誰でも良い。
消費者が求めるのは、ただ、高品質で安全であること。
そのために、社会的責任にさらされやすい上場企業のものが好まれる。
しかし、これから消費者の多くの割合を占めていくミレニアル世代は
情報収集が非常に得意で、新しいものへの感度も高い。
面白いものがあれば簡単に乗り換るし、チャレンジもする。
「世間の評価」より「自分の体験」の方が、大切。
インターネットとSNSの普及により、口コミが簡単に拡散されるようになったので、
老舗ブランドかどうかより、評価されるものは自動的に有名になっていく時代になりそうです。
(まぁ、ステマが大きな問題となったように、
 これもインターネットマーケティングが大きく関わるのだと思いますが…)
⬛︎「学ぶ」=「教わる」?
そういった価値観に変わってくると、「ただ教わる」という「授業」を
強制されることは、あまり意味がない・・・
ということが徐々に表面化してきます。
テレビを見なくなり、情報収集がインターネットに寄ってきているのもその一つ。
「一律に与えられる」ことより「自分の好きなものを取りに行く」ようになっています。
これは、個人の特性を伸ばすとともに、激しく偏りが生じる可能性も出てくるので
ある意味危険さを助長する傾向とも言えるのですが・・・
例えば、地震があった、テロがあった、政治家が暗殺されました、
明日からこの国はこんな体制に変わります・・・
家族と同居し、新聞を取り、朝はニュースを一緒に見る生活をしていれば
大多数の国民に同じ情報を通達することができますが、
毎日You tubeでアニメしか見ない自営業者がいたら、
その情報をどうやって届けたら良いのでしょうか。
マイナンバー制度が開始され、大きく苦戦しているのは情宣と聞きます。
デジタルノマドや海外移住者も増え、住所すら確定しない人も増えてきています。
各自の保有する全端末に、強制的に政府が公示を行うことはかなり困難でしょう。
政府の提供するサービスに関心を寄せない国民は、
守る必要がないという論争もあるかもしれませんが、
在籍をする民を守るのが政府や企業のお仕事です。
最後の最後まで、どうやったら皆を守れるのかを考えないといけないし、
逆に情報を取りに来ない国民は、どうしてほしいのかを伝えていくべきなのかもしれません。
そのうち、内閣府からの公示がFacebookのTLで
流れてくる日がやってくるのではないでしょうか。
⬛︎全てはシェアする時代へ
今回書きたかったのは、「受け取る」だけの時代が終わった気がする、ということです。
これを思ったのは、11月Liveで、講師の藤本さんのお話を伺ってから。
「教わる」のではなく「共有する」ことが求められているのだなと。
スキルを共有する「ストリートアカデミー」はなぜ広まっているのか。
人が本当に求めていることはなんなのか。
多くの「本当に大事なこと」に気づきをいただけた回でした。
要旨については「おすそ分け」にて記載しますので、
ご来場いただけなかった皆様はおたのしみに。
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