日本型のDX推進では何を変化させるのか?

日本型のDX推進では何を変化させるのか?

前回のお話では、日本の企業が全社DXを推進するということについて書きました。

大胆なリストラによる変革が難しい日本企業の場合には、
現場の社員一人一人が変わる必要がある、という結論でした。

今回はもう一方踏み込んで、DX推進によって人を変える時に、
「何を変化させるのか?」
について触れてみたいと思います。

■旧来型のKKD
いわゆるKKD経営と言われるスタイルがあります。
K:経験
K:勘
D:度胸
の略でして、経験と勘と度胸による意思決定です。
このスタイルもスーパースターがいる場合は、
うまいこといくことが多いです。
問題は、スーパースターが不在になってしまうと、
一気に組織全体のパフォーマンスが落ちてしまいます。
また、次から次へとスーパースターが出てくるということも
なかなか難しい話で、仕事の引き継ぎも困難です。
仮に、スーパースターを育成するメソッドが優れている組織があるとしても、
経験値に頼る部分はどうしても育成に時間がかかってしまいます。

■データドリブン
KKDに対して、データドリブンというスタイルがDXでは推奨されます。
データドリブンとはデータそのものや分析されたデータに基づいて
意思決定をするスタイルです。
このスタイルでは、スーパースターへの依存度が下がります。
また、仕事のパフォーマンスが組織全体として底上げされます。
前提として、データの収集方法や分析方法がある程度確立していますので、
組織全体として知見が共有され、共有された知見が配属1日目の新人から活用できる状態になっています。
そうすると、新加入や異動時の戦力化が早くなります。
事実に立脚して仮説を立てていることもあり、
高度な閃きがなくても、ある程度の仕事の質は担保できます。

■PDCAの高速化
そもそも、世の中の変化が早くなっている中で、
正解はどんどん分かりにくくなってきていますし、
正解であったものがすぐに変化してしまいます。
このような背景を踏まえると、PDCAの高速化によって、
「手遅れになることをどう防ぐか」
が、神がかり的な意思決定よりも組織で何かをやる時には有効になってきています。
継続的な組織の成長も、スーパースターの閃きから、
高速PDCAとその結果をいかに組織全体の共有の知見にできるか、
というところに変わってきています。

■今風な人材像とは
これらの背景を踏まえた上で、DX推進によってどんな人材にシフトすべきかは、
以下のような特徴になってきています。
・PDCAを高速で回せる
・事実に基づいて仮説を立てられる
・結果を振り返るためのテスト項目をデータで集められる
 ※必要データとデータの収集方法を考えられる
・データの収集や分析に必要なツール類を使いこなせる
 ※未知のものでも素早く習得できる(×→過去の栄光、○→常に成長)

組織全体として、こういった人材に変わっていくことこそが、
日本企業が進めるDXの目標だと思います。

その意味で、DX推進を支援する側のコンサルタントにとっては、
企業毎に状況も進行状況やスピードも異なる中で、
支援先の企業や人材の現状を把握した上で、
どんな順番でどういった課題設定をするか?
の部分が重要でしょう。

何らかのツールやシステムの導入を進めることが本質的なDXではなく、
企業の現状を踏まえた上で、全方位的にDX推進をする必要があります。
これはこれで、単純に詳しい分野があれば良いという話ではないので、
とてもやり甲斐のある仕事じゃないかと思います。

ビジネスクリエーターズでは、そのようなDXの性質から、
専門性の異なる人材でチームを組んでDX推進を支援するようにしています。

DX推進するぞ!という強い意志のある企業様は、
是非とも我々にお問い合わせください。

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