なぜシマウマは家畜にならなかったか

なぜシマウマは家畜にならなかったか

こんにちは、大岡です。
家畜化の条件を考えた事は有りますか?
人類の歴史で様々な動物の家畜化が試みられ、
現在に至っています。
今回は人類史を描いた『銃・病原菌・鉄』の一部を
紹介します。(そしてなるべく短く端的に、、)
□「家畜化できている動物はどれも似たものだが、
家畜化できない動物はいずれもそれぞれに家畜化
できないものである。」
すなわち数ある家畜化の条件のうち一つでも欠ける場合は
家畜化出来ないのであり、その全てを満たす動物のみが
家畜となる。
□哺乳類の家畜はほんの数種類、14種類にすぎない。
メジャーな5種類は
1羊 2山羊 3牛 4豚 5馬
マイナー(地域限定)な9種類は
6ヒトコブラクダ 7フタコブラクダ 8ラマ/アルパカ
9ロバ 10トナカイ 11水牛 12ヤク 13バリ牛 14ガヤル
家畜とは、人間が自分たちの役に立つように、飼育しながら
食餌や繁殖をコントロールし、選別的に繁殖させて、野生の原種から
作り出した動物のこと。
あのハンニバル将軍の軍隊がアルプス越えをしたときのアフリカ象は
どうなのか、という疑問に対しては飼育であり家畜化ではない。
□家畜化されなかった六つの理由
1 餌の問題
大型肉食動物は大量の餌を必要とし、不向き、
また餌の好き嫌いが偏りすぎている草食動物も飼育に不向き
2成長速度の問題
成長に時間がかかりすぎる動物は家畜化し、育てる意味があまりない。
Ex.ゴリラ、ゾウなど
3繁殖上の問題
複雑な求愛行動をとる動物は捕獲状態で繁殖を成功させるのが難しい。
Ex.チーター、ビクーニャなど
4気性の問題
気性が荒く、人間を殺しかねない動物は家畜化されないものが多い
Exグリズリー、アフリカ水牛
5パニックになりやすい動物
神経質なタイプの動物は囲いの中に入れるとパニックになったり
ショック死してしまうため飼育が難しい。
Exガゼル
6序列性のある集団を形成していない問題
実際に家畜化された動物は集団で暮らし、集団内の個体の序列がはっきりしている。
人間が頂点にたつことで集団の序列を引き継ぎ、効率よく支配出来る。
群れを作らない動物、また群れを作る動物でも群れごとに縄張りをもち、
他の群れと共有しない場合は家畜化されていない。
さて、シマウマは上記のうち、どの問題を持っていたのでしょうか?
答えは4、気性の問題です。
シマウマは種として気性が荒く、年を取るにつれて危険になる、
家畜化の試みにおいて最も成功したのが、彼らを荷台につないだというもの。
人間に一度噛み付いたら離さず、また投げ縄で捕まえるのもほとんど不可能。
南アフリカで熱心に試みられていた家畜かが次第に関心が薄れてしまったようだ。
飲み会で女子にウケるかは甚だ疑問ですが、
知識としては持っておいても損はないのでは。
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