こんにちは。八須です。
なんだかタイトルが怖いですが、ホラーでもなんでもなく、これは
多磨霊園の周辺のことです。
先日初めて多磨霊園に行く機会があったのですが、最寄りの西武多摩川線多磨駅を
降りて歩くと、すぐに「○○家」という大きな看板を掲げた建物(大きめの平屋や昔っぽい商店)が
あり、なんだろうと思ったらお墓の管理を請け負っている(多分)会社なのでした。
そういうお店がいくつもあるんですね。自分たちもそのひとつで待ち合わせをしていたのですが
色々と見ている内に、これはなんという堅い商売、そして商売らしい商売だろうと感心しました。
数万のお墓を擁する多磨霊園を資源として成り立っているという点では、
温泉や景勝などを資源として成り立つ観光地と近いところもあるのですが
確実なリピートが見込めるという点と、おそらくはメインの売上となる墓石の購入が
非常に長いスパンでしか見込めないという点で、観光地とはまったく違う商売の仕方が
必要なはずです。
観光地では一般的に、ほぼすべてのお客さまが「一見さん」であり、リピートを見込んではいません。
ですのでとりあえず売ってしまえば、あとはどうでもいいという商売が成り立つわけです。
もしそこに競争がなければ(談合的なものがあれば)全部のお店で同じものを同じ値段で
売るということにもなるわけです(おそらくは高い値段で)。
しかし霊園周辺のお店(単純化するために、墓地管理も請け負う石材店としましょう)では
墓地管理という長い長い仕事をやらせてもらいながら、盆や彼岸になるとお参りに来る
お客さまの名前を覚えておいてお茶を出し、世間話をし、「長い付き合い」という信頼を
壊さぬように大事に大事にし続けることで、お客さまのあたまから競合を消し去るわけです。
もちろん霊園周辺に店を構えているという資産はありますが、それは簡単に真似できます。
しかし「長い付き合い」のお客さまというのは、当然一朝一夕にできるものではありません。
これらのお店の真の資産は、そうしたお客さま自体だと言えるでしょう。
そしてこの商売のやり方というのは、どんな業種だろうとできることではないでしょうか?
明日は阪倉さんです。