『うなぎのマーケティング』

『うなぎのマーケティング』

こんにちは。のむらです。
今日は、いつものシリーズではありません。
RBCの話シリーズでもありません。
サッカー女子日本代表が世界一になったので、その話でしょう、、
と思われたかも知れませんが、会員限定メルマガで触れることにします。
さて、土用の丑の日というと、うなぎを食べるものだ、と広く認知されています。
どういうきっかけでそうなったのか?というのは、古い話なので、
諸説あるのですが、最もメジャーな説は、
平賀源内によるマーケティングという説です。
夏場、暑い中では、なかなかうなぎを食べようなんていう人がいなくて、
鰻屋は商売が繁盛せずに困っていました。
そんな時に、鰻屋が博学な平賀源内に相談にいきました。
そうしたところ、
「丑の日には”う”のつくものを食べると夏バテしない」
という民間伝承があることをつかって
「丑の日に”う”のつく鰻を食べよう」
というキャンペーンを提案したわけです。
結果、そのアイディアが当たって、鰻屋は大繁盛しました。
また、他の店も真似したために、一般化しました。
鰻屋の看板で「う」を強調するのもその影響と言われたりします。
ついでに言うと、、、
それまでは「う」のつくものとして、
梅干や瓜が食べられていたそうです。
で、鰻と梅干は食べ合わせが悪い、という伝承もありますが、
これはデマです。
少なくとも、現代の栄養学では、「そんなことはない」ということが
言われてしまっています。(むしろ、けっこう良い組み合わせ)
ここは私の推測ですが、食べ合わせが悪いのではなくて、
どこかのタイミングで鰻屋と梅干屋が足の引っ張り合いをしたのではないかと思います。
なので、悪いのは食べ合わせではなくて業界同士の仲ではないか?
と思います。
この事例に限らず、特に根拠は無いけど、それっぽいメッセージをつくることで、
利益を出し続けている構図、というのは色々な分野にあります。
それこそ、バレンタインデーにチョコレートというのもそうですし、
まぁ、ともかく、それっぽい話が広まると、市場が生れたりします。
解釈によっては、「ただの詐欺師じゃないか!」という声もあるかも知れませんが、
いつの時代も人は「正しいかどうか」ではなくて「楽しいかどうか」で動くものです。
そこが大事なことです。
昔、椎名桔平さん主演の「恋愛詐欺師」というドラマがありましたが、
恋愛詐欺を通して、人を成長させ、幸せにする、という話です。
これはこれで良い話だと思って見ていたのを思い出します。
ここは、必ずしもトレードオフである必要は無いのは当然なのですが、
もしも、「正しいけど人を不幸にする」ことと、「正しくないけど人を幸せにする」ことであれば、
後者のほうが優先されるべきではないでしょうか?
ビジネスはたくさんの人を喜ばせ、満足する力があります。
しかし一方で、完全無欠な満足や喜びをビジネスによって創りあげることはできません。
なればこそ、「何だかよく分からないけど、楽しい。面白い」というのは、
とても重要な感覚ではないかと思うのです。
私たち、ビジネスクリエーターにとっては。
スペックはイマイチだけど、かっこいいじゃないですか!
という理由でパソコンやケータイ電話を選んだりもするわけですし。
丑の日ということで、
マーケティングやPR、広報をされている方ではなくても、
平賀源内のアイディアよりも長期に渡って儲かり続けるアイディアを出してみるのは
いかがでしょうか?
そんな過ごし方がお勧めです。
(あ、鰻を食べながら考えても良いですが。笑)
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Nomura