こんばんは。スタッフ八須です。
久しぶりにドラッカー『プロフェッショナルの条件』を読み返しています。
『もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら』で
ドラッカー読者の裾野が広がっていますが、自分はこの
『プロフェッショナルの条件』がドラッカーの著作の中で一番好きです。
「はじめて読むドラッカー【自己実現編】」という副題がついているとおり
ドラッカーの著作の中から自己啓発系のものを選びまとめてあるもので
新社会人にもとてもいい本だと思います。
この本の中でドラッカーは、知識労働者はこれまでの肉体労働者とは
まったく違う存在である、と言っています。肉体労働者は「どのように」仕事をするか
ということだけが問題であり、それは外から計測可能(たとえば1時間に1つ完成させるなど)
だったのに対し、知識労働者はそもそも「何を」するかということから自ら考える必要が
あり、それは他の人が簡単に計測できるものではないと言います。
一言で言って、すべての知識労働者は、自らの専門分野においてエグゼクティブ
(意思決定者)であるということです。上司がいたとしても、自らの専門分野については
上司よりも詳しくなければならないし、そうなれば必然的に意思決定をするのは
上司ではなく当人の方が適切であるということになります。
しかしながら、そうやって専門分化していくことによって、知識労働者は
単独で成果をあげることはできなくなります。例えば放射線技師は
患者の病気を治すという成果について、病巣の発見・容態の検査という点に
おいてしか貢献できません。その結果を他の医療従事者(医師・看護師・理学療法士…)
に使ってもらってはじめて成果をあげることができます。
これらから、成果をあげるためには何が必要であるかということが導かれます。
まず自らの強みを知り、それを伸ばしていくこと。
それから単独での利益や権限ではなく、貢献に焦点を合わせること。
あらゆる組織で働く知識労働者にとって、これらが必須のこととなります。
明日は阪倉さんです。