こんにちは。のむらです。
引き続き、このシリーズです。
全国のサッカー経験者の方、また、サッカー小僧のご家族、ご友人の方に、
サッカーに打ち込むことで、ビジネスパーソンとしても一流になるための素養
が身につく、というご理解を頂ければ幸いです。
■カルチャーとパフォーマンスの関係■
前回、サッカーがチームスポーツであることについて述べました。
そこで、もう少しその話を続けます。
現在、日本では「人もボールも動くサッカー」を理想と掲げて
チーム作りをすることが主流となっています。
これ自体、私の理想からしても、納得感のあるものです。
ここで言う「人もボールも動く」ということについて、
もう少し説明を加えておきますと、、、
・人が動く
⇒ボールを持っている選手が動くのは当然ですが、
ボールを持っていない選手も走ることで、
ボールを出す先(=次の展開の選択肢)が増えます。
・ボールが動く
⇒上記の通り、選択肢が多ければ、
ボールもよく動くことになります。
そして、これらの動きを通して何が実現されるのか?
というと、
1.(相手の守備の隊形を不安定にすることで)ゴールに繋がりやすい局面が生まれやすい
2.(そもそも選択肢が多いので)ボールを失う確率が下がる
ということが挙げられます。
(ザックリ言うと、「決定機の創出」と「ボール保持率の向上」となります)
つまり、この2つの目的から逆算して、
「人もボールも動く」という「手段」があるわけです。
これは、世界的に見た場合、比較的勤勉さの目立つ日本人には
非常に合った考え方ではないかと思います。
ボールを持たない選手が(献身的に!?)走り回るという姿になります。
ただ、あくまで目的は「決定機の創出」と「ボール保持率の向上」ですから、
この目的の達成具合によって、「人もボールも動く」という手段の正解/不正解
を語るべきです。
ですから仮に、「人もボールも動いた」結果、
「決定機が減った」「ボールをすぐ失うようになった」となった場合には、
手段が間違っていると言わなければなりません。
もしくは、さらに優れた代替手段があるのであれば、そちらを採用すべきです。
これだけマスメディアで言われていると
一見、「人もボールも動く」という手段が絶対的真理のように
なってくるかも知れませんが、そうとは限りません。
昔、南米に行った時に勉強になりましたが、実は、代替手段もあるのです。
日本的な「人もボールも動く」という試合運びは、
・勤勉さ
・献身性
・全体最適
といった、和の精神とでもいうべき要素が大前提にあります。
しかし、サッカーの世界は広く(?)
「ドロボーパス」
という概念もあります。
これは、全員が(自分さえ良ければ、という)ドロボー的な価値観で動いた場合、
やはり、「決定機の創出」「ボール保持率の向上」は実現できる、
というお話です。
どういうことかと言うと、
・ある選手が他の選手にボールをパスする
↓
・自分がボールを取られる心配はなくなったので、
自分にボールが戻ってこないようにパスコースから消える(笑)
↓
・ボールをもらった選手も同じように考えて、何とか他の選手に
ボールを送る
↓
・同じく、パスコースから消える(笑)
と、「自分さえミスしなければ良い」という我利我利な考え方による、
極めて部分最適な試合運びです。
一見、ダメそうな方法ですが、実際には、優秀なドロボーが11人揃うと、
結果として
「チームがボールを失う確率が下がる」
(タイトなパスが通るので)「決定機が生まれる」
(おまけに、ゴールを決めればドロボーパスの連鎖から開放されるので)「点が入る」
となることも珍しくありません。
ただ、このケースで絶対に外せない条件があるとしたら、
それは、「全員がドロボーに徹していること」です。
10人のドロボーに、1人の「和の精神な人」を混ぜてしまうと、
その1人が徹底的に穴になってしまいます。
逆に、「和の精神な人」が10人いるところに、ドロボーを1人混ぜても、
その1人が弱点になってしまいます。
ちなみに、私はどちらのケースも経験しています。
(後者は、精神衛生上というか、嗜好の問題というか、
あまり好みではなかったですが。。。)
どちらの場合でも、その場のカルチャーを全員が共有するか否かで、
結果的にはチーム全体のパフォーマンスが変わります。
ビジネスにおいても同じことが言えます。
企業理念や、それぞれの企業が持つカルチャーは、
とても多岐に渡ります。
それこそ、対極の文化を持つ会社がそれぞれの業界で
トップ企業になっているケースもあります。
メディア等での流行り廃りはあるものの、
どんなカルチャーの企業が経営的にうまくいくか、というのは、誰も分かりませんし、
実際、決めることができません。
ただ、ひとつだけ実感することは、
どんなカルチャーであれ、メンバー全員が共有できていれば、
企業全体のパフォーマンスは、最大化される、ということです。
こういうこともサッカーを通して10代の頃から体感していましたので、
ますますサッカーには足向けできません。
「ビジネスクリエーター輩出」というビジョンを共有できる方は、
RBCへの会員登録をどうぞ。
明日は友部くんです。