『深夜快速の旅?マレーシア篇』 Chapter5
足を踏み出すと、すぐにチャイナタウンに入りこんだ。
脇にはとてもにぎやかな通りが目に入ったが、
まずはホームが欲しいとの思いで先を急いだ
今晩の宿にと思った、バックパッカーズトラベラーズインはすぐに見つかった。
大げさな鉄製のドアを手前に引いて階段を登る。
階段を降りてきたアングロサクソンとすれ違う。
空港を出てきてからは初めて見かけた白人だった。
2階のフロントにつくと東アジア系の顔がカウンター越しに出迎えてくれた。
宿帳を取り出し、パスポートナンバーの類を記帳すると、
ファン付きの部屋に腰を降ろした。
1部屋に数人で泊まるドミトリーも空いていたのだが、
初日はゆっくりしたいという気分もあって、
気張らずに個室を選んだ。料金は45RMで、1000円強。
日本の物価に慣れ親しんだ身からすると、流石に安い。
部屋で荷物を広げて、外出のための装備を整えた。
旅行本によく載っている注意に、まるで忠実だった。
?財布は高そうなものを使わない。
?財布にはチェーン等をつけて、スラれないようにする。
?所持金を分散させる。
100円ショップで買った財布に100円ショップで買った
チェーンを引っ掛け、100円ショップで買ったもう一つの財布に所持金を分けた。
思えば、大学の卒業旅行以来の久しぶりの海外旅行だ。
足掛け3年になる。用心には用心を重ねて、という気が強かった。
その他、自分のリュックサックを紐解くと、
髭剃りやら目覚まし時計やら懐中ライトやらの小物が押し込まれていて、
その殆どが100円ショップでの調達品であった。
100円ショップには大変にお世話になった。
思うに、日本が好景気になっても、
多様な小物を幕の内弁当のように買い物カゴに散りばめることができる
ショッピングの楽しさと、ワンストップで買える利便性、
絶対的な価格力は魅力的で、息の永い業態なのだと思った。
やはり100円ショップで買った腕時計を見てみると、7時になっていた。
程よく腹も減りだし、夕飯を買うにはちょうどよい頃合だ。
ガイドブックで、毎晩この辺りの通りに屋台が並ぶ事は知っていたので、
旨そうなものを探しながら、チャイナタウンをぶらつくことにした。
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次は加茂くんです。
よろしく!!