『審美眼について』

『審美眼について』

こんにちは。のむらです。
先日、とある方と美的感覚というか、
審美眼のような話になりました。
私の倍以上生きて、様々な経験をされている方との
お話でしたが、その時に、建築物の話になりました。
ある有名な商業施設についてですが、
あのエリアとしては全く華がなくて全く良くない、
という話でした。
私も、その施設の建築家のお話を伺ったことがあるものでして、
どういう考え方で設計されたのかを知ってはいました。
とはいえ、華がないのはもはやセンスの問題とのことでして、
そのようなセンスは建築だけでは十分に磨かれない、
という話でした。
そこでひとつ教えて頂いた話として、
建築やアパレルのような分野は、
宝石を学ぶことでよりレベルが上がり、
宝石は絵画にたどり着く
というお話でした。
とはいえ、宝石といっても、
一般的に流通しているような、
だいたい8割くらい利益を乗っけて売ってるような
アクセサリーの話ではないと思います。
以前、件の方に
ホンモノの宝石を知りたくないか?
と問われて、
カタログを見せて頂いたことがあります。
詳しい背景は端折りますが、
ダイヤモンドの価格が安定しているということから、
ダイヤモンドそのものを宝飾品ではなく、
金融商品として流通させたらどうか?
ということを考えたことがあります。
USAではそういう市場もあるそうです。
そういうわけで、
日本でダイヤモンドを扱っている会社の社長さんにその話を
したところ、多分、上述のように8割くらい乗っけて販売している
アクセサリー屋さんの原価がバレるということから、
日本でそれをやると叩かれると思う、という回答でした。
とはいえ、
ホンモノの宝石たるや、
私が考えていた金塊に変わるような金融商品よりも、
ある意味ではレベルの高いお話でした。
というのが、
石そのものの色や透明度、輝きや大きさといったことはもちろん、
極めて上等な石を、
超一流のデザイナーのデザイン、
超一流の工房での加工、
それらを経て完成します。
そのようなたった一つの宝石がオークションに出されます。
スタートの値段が日本円換算で1億円くらいからとかです。
落札額はその10倍くらいになったりするそうです。
これは、高額な絵画に似ていると思いました。
絵画の金融資産的な側面というのに似ています。
最近、このような感覚を別の角度から見せられた機会がありました。
宮崎駿監督の映画、「風立ちぬ」を観てきました。
その時にも、美しさを追求するところにある、
ある種の残酷さというか格差というものが見えました。
映画の詳細には触れませんが、
素晴らしい絵画も、ホンモノの宝石も、
はたまた、極めて美を追求されたファッションデザインや建築デザイン、
これらと大衆性というものは、違いどころか、世界の断絶があると思います。
さて、そんなことを思いながらお話を伺っていたわけですが、
そうなると、どうしても聞きたいことが出てきてしまいました。
ここは、私の庶民的な好奇心という次元の話なのですが、
「最も美しい建築物って何だと思いますか?」
と、
まぁ、こんなこと聞いて怒られやしないか、という質問かもしれませんが。。。汗
しばらく考えた結果、
「二重橋」
とのお答えを頂きました。
併せて、
「美しさ」というのは、それを解釈したり読み解く側のセンスが必要だ、と。
そういうことも教えて頂きました。
で、これを聞いちゃった以上は、当たり前ですが、
「君は何が最も美しいと思うか?」
という質問が返ってきました。。。汗
ここ1年くらいの関心事は「日本のオタク性」だったりするので、
日本庭園の構造が好きだという話をしました。
上から見て奥行きと自然を管理するというつくりの英国的な庭のつくりに対し、
平面の連続によってつくられる日本庭園の構造が美しいと思います、と。
とはいえ、まだまだ知っている建築物が多いわけでもないので、
どんどん変わるかも知れません。
「芸術の秋」という言葉もありますが、
秋に限らず、審美眼、美しいものを読み解く力というのは、
日々磨いていきたいです。
そういうこともビジネスクリエーターズでできたら良いですね。
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明日は八須くんです。

Nomura