こんにちはなかしーです。
シュレディンガーといえば素粒子論で有名な方ですが、彼(?)の生物に関する考察の本、「生命とは何か」を読みました。
そもそも翻訳本である上に、多分、彼の主義としての表現の厳密さにこだわるがゆえの回りくどさが相まって、極めて読みづらい本です。(4行理解するのに数十分かかった箇所も有り。。)
しかしながら、超面白い。スーパー面白い。
ちょいちょいグッと来る箇所があります。その中でも、凄そうに言ってるけどまぁそうだよね的なところを引用します。
”そこで「負エントロピー」というぎこちない言い方をもっといい表現に置き換えて「エントロピーは負の符号をつければ、それ自身秩序の大小の目安となる」と言い表せます。このようにして、生物が自分の体を常に一定のかなり高い水準の秩序状態(かなり低いエントロピーの水準)に維持している仕掛けの本質は、実はその環境から秩序というものを絶えず吸い取ることにあります。この結論はちょっと見た時に思われるほど奇妙なものではありません。むしろわかりきったつまらないことだといわれるべきでしょう。事実、高等動物の場合には、それらの動物が食料としている秩序の高いものをわれわれはよく知っているわけです。すなわち、多かれ少なかれ複雑な有機化合物の形をしているきわめて秩序の整った状態の物質が高等動物の食料として役立っているのです。それは動物に利用されると、もっとずっと秩序の下落した形に変わります。”
如何でしょうか。
一文が長くて途中で嫌になる感じでしょう(笑)
多分言いたい事を出来る限り普通っぽく、とはいえ言いたいことをはずさない様に私なりに言うと、
「(氷は一度溶けたら絶対元に戻らないし、コーヒーに角砂糖を入れたら溶けて二度と角砂糖にはならない様に、モノは熱やその他の外部からの影響を受けるとそのカタチや秩序を保つ事は出来ない。それにも関わらず、何十兆という微細な細胞の複雑きわまりない動きによって一つの秩序=カタチを形成している)生物が何故、(熱運動やブラウン運動などの外的な影響に負けずに)カタチ=秩序を保てるのか、というと、それは外部から動植物という高度な秩序を食べる事により、自分の秩序維持のための材料としているからなんだ。」
という事なんだと思ってます。
確かに、ご飯たべないと死んじゃうんですが、それを物理学的観点からまじまじと観察して話をしているのが非常に面白いなぁ、と。こういう言い方になるんだ、、という感じ。
ちなみに、最後の「秩序の下落した形」というのは、食事の結果として出てくるアレです。ここは彼的には笑うところなんでしょうね。(その後の文面で、とは言え植物はまだそれを利用出来るから、最も下落した形ではない、というような補足が入ってます。つくづく細かい方です。)
この本を読んでから立花隆氏、利根川進氏の「精神と物質」を読むと、「秩序」とよばれていた実態についての(少なくとも「生命とは何か」の時代よりも新しい)知識に触れることが出来るので、より面白いこと間違いありません。
もうちょっと触れると、免疫という仕組みがいかに凄い事になっているのかが切々と書いてます。細かく見ると一つ一つは物理法則に則った現象なのだけども、それが、かのように集まっておりそして複雑に絡み合って一つの系=カタチ=秩序=生き物を形作っているんだ、という事が垣間見れます。
まぁつまりですね、生き物って凄いんだな。
その凄さを保つ為には、ご飯は大事なんだな、ということですね。ここまで言っといてそれだけです(笑
さて、そろそろ私という系の秩序を一定かつ高い水準で維持する、エントロピーの最大化を防ぐ為に必要な、秩序の整った物質を摂取する必要性を認知したので、出かけるとしよう。(=腹減った、飯いってくる。)
では。