こんにちは。のむらです。

先日、
『ポバティー・インク』-あなたの寄付の不都合な真実-
という映画を観てきました。

「貧困産業」とも呼ぶことのできる、
いわゆる先進国からいわゆる途上国への寄付や、
いわゆる社会起業についてのドキュメンタリー映画です。

機会があればぜひ観て頂くのが良いと思います。

私自身も教育支援のチャリティに関わっていたりということもありまして、
色々と考えるきっかけになりました。

いくつか印象的な話が取り上げられていました。

ひとつは、ハイチ共和国のお話です。

貧しいからという理由でアメリカから大量のお米が寄付されましたが、
それによって、ハイチ共和国の農村地帯で稲作をしていた人々は
土地を捨てて都市に出て行きました。

というのが、タダでお米が食べられる世の中で、
お米を売って生計を立てるということが成り立たなくなってしまったからです。

結果的に、
アメリカからの大量の善意のお米はハイチ共和国の稲作を完全に破壊してしまいました。

ちなみに、そうやって都市に人が集中してスラムが形成され、
セメントを積み上げてできた地域がありました。
これが2010年の大地震で大きな被害を生むきっかけにもなりました。

この地震の後に、ハイチ共和国でベンチャーを起こした人物がいました。
太陽光パネルを自分たちで生産できるようにして、
太陽光パネルで蓄電を行って、夜間にLED照明を点灯させる街灯をつくりました。

太陽光であれば、発電所や送電設備がなくても街灯が点くということで、
ニーズをとらえた良いビジネスのように見えました。

しかしながら、そうして太陽光パネルつきの街灯が出てきたのを見て、
ハイチ共和国に入っていたNGOが、「太陽光パネルつきの街灯はニーズがある」
ということで、
いわゆる豊かな国々の皆さんの寄付で
太陽光パネルつきの街灯を設置し始めました。

もちろん、お金は頂きません。寄付なんで。善意なんで。

そうなると、少しずつ売れていた国内のベンチャー企業は大打撃なわけです。
値段つけて売ってるわけです。
それが、タダのものと競争なのですから、もちろんですが、
全然売れなくなってしまいました。

せっかく生産技術を訓練したり、雇用を生んだりしていたのですが。。。

似たような例で、
TOMSの話も出てきました。

「あなたが靴を1足買うと、裸足の子供に1足の靴が送られます」
というビジネスで成功した2006年設立の米国の企業です。

元々はアルゼンチンのユニークなデザインの靴を良いなと思ったが、
アルゼンチンには裸足の子供もいるじゃないか、というところに目を付けたそうです。

なので、ロゴもアルゼンチンを髣髴とさせる感じですし、
靴のデザインもアルゼンチンのユニークなデザインの靴をパクったような感じです。

そして、裸足の子供に靴が送られていきます。

もうお気づきだと思いますが、
当然、アルゼンチンにも靴職人はいるわけなんですね。

「善意」ではあるのですが、
やはりこれはアルゼンチンの靴市場をぶっ壊しているという捉え方もできるわけです。

映画を通して、ひとつの重要なポイントは、
「貧困の本質」
でした。

「貧困の本質は、市場や貿易、経済活動の輪の中から阻害されていること」

なのですね。

「寄付だからダメだ」

というのもまた短絡的ではありますが、

寄付によって貧困が固定化しないか?
寄付によって市場が破壊されないか?
寄付によって自立の芽を摘んでいないか?
その寄付は本当に相手を貧困から遠ざけるのか?

を、よくよく考えることは大事だと思います。

「可哀想な人に施しをするというのは、気持ち良い」
という面もあります。

多くのセレブは「かわいそうな子供に愛を」
みたいなことを言って、寄付を集めたりします。

実際、世界的スターのミュージシャンや有名な起業家、
はたまた映画俳優たちが寄ってたかってそういう活動をしていますから、
そこに異論を唱えるとたくさんのファンに袋叩きにされたりもするかも知れません。

とはいえ、現実はそんなに甘美なものではないようです。

また、いわゆる貧困地域では、
場所によっては、もはや企業よりもたくさんのNGOが活動していたりもします。
そこで働く人の給料も出さなきゃいけませんから、
貧困が固定化されていないと都合が悪い という面もあります。

ちょうど明日から、日本でも
「愛は地球を救う」
という番組を、国民の税金を突っ込んだ電波塔をつかいながら
24時間も流す局があるみたいなので、
(もちろん、人の中にある善意を否定する必要はありませんが)
ちょっと寄付について考えてみるのも良いかも知れませんね。

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